その1 天然資源保護
ポルトランドセメントと比較して、副産物を利用しているので、セメントを製造する際に使用する原料や燃料である石灰石や珪石、 石炭などの天然資源(※)が保護できます。
※現在国内の石灰石資源は約99億トンといわれていますが、年間2億トン程度消費されています。
その2 省エネルギー
副産物を乾燥粉砕するだけですから、セメントのような焼成工程を必要としないため、製造に必要なエネルギーを節減できます。
その3 地球温暖化防止
エスメントにはポルトランドセメントのような焼成工程がないため、 石灰石の脱炭酸や燃料の燃焼による炭酸ガスの発生がほとんどありません。従って高炉セメントとした場合も、スラグの分量に応じて炭酸ガスの発生を抑制できます。
その4 耐久性向上
高炉スラグ微粉末や高炉セメントを用いると、長期の強度が増進するだけでなく、コンクリートの水密性や化学物質に対する抵抗性、アルカリ骨材反応抵抗性、塩分のしゃへい性などの耐久性が向上するため、構造物が長持ちします。すなわち、構造物のライフサイクルが長くなり、メンテナンスやスクラップ&ビルドに伴うエネルギーや資源を省くことができます。
高炉セメントは環境に優しいセメントとして、各方面でその利用が推奨されています。
- (1)「地球温暖化対策推進大綱」で高炉セメントの利用促進(1998年)
- (2) 都道府県・政令指定都市の「環境物品等調達方針」に高炉セメントを記載(2003年)
- (3)「京都議定書目標達成計画」で高炉セメントの利用促進(2005年)
- (4)「温暖化対策計画」で高炉セメントの利用促進(2016年)