高炉セメント

    
概要特徴品質施工実績
「高炉セメント」は耐久性に優れるだけではなく、アルカリ骨材反応抑制効果、 および重金属類の溶出抑制効果があり、グリーン購入法の特定調達品目に指定された環境負荷低減に貢献するセメントです。

1.強度がよく伸びる

高炉セメントは、コンクリートの28日強度において、普通ポルトランドセメントと同等の強度発現性があります。 さらに長期強度は普通ポルトランドセメントをしのぐ強度が得られます。

3日 7日 28日 91日 6ヶ月 1年





普通ポルトランドセメント 11.8 21.7 37.5 44.7 44.3 44.7
早強ポルトランドセメント 21.9 31.1 43.2 47.0 47.5 47.1
中庸熱ポルトランドセメント 9.8 14.9 32.4 45.7 47.9 49.0
高炉セメントB種 9.7 16.3 38.3 51.3 53.9 54.7
シリカセメントB種 11.5 20.5 35.2 41.0 43.1 44.0
フライアッシュセメントB種 9.4 16.9 32.1 45.8 53.4 54.6

2.発熱が少ない

スラグの水和発熱は、普通ポルトランドセメントに比べ小さいため、 高炉セメントの水和熱はスラグの混合量が多くなるほど小さくなります。 最近の構造物の大型化に伴い、温度ひび割れ対策として高炉セメントが多用されています。

材料 7日 28日 91日

普通ポルトランドセメント 72 93 102
中庸熱ポルトランドセメント 61 76 86
高炉セメントB種 59 78 89
高炉セメントB種(低熱型) 53 72 81
高炉セメントC種 45 65 74

3.耐久性が向上する

下水道や海岸構造物などの化学的な耐久性が要求されるコンクリートにおいて、 高炉セメントはこれらの侵食に対し優れた抵抗性を発揮し、多くの実績を有しています。 さらに、最近話題となっている塩害やアルカリ骨材反応に対して、高炉セメントの使用が有効であることが実証されています。

4.緻密なコンクリートができる

高炉セメントコンクリートはワーカビリティーがよく、スラグの特性によって硬化したコンクリートが緻密になり、 防水性・耐摩耗性に優れています。

 

種類と特徴

日本工業規格 JIS R  5211「高炉セメント」で品質が決められています。

種 類
高炉セメントA種 高炉セメントB種 高炉セメントC種
スラグの
分量*
5%を超え
30%以下
30%を超え
60%以下
60%を超え
70%以下
特 長 コンクリートの性質は
普通ポルトランド
セメントと同様です。
一般土木・建築構造物
用としても最も広く
使用されています。
海洋コンクリートや
下水道施設などの
接水構造物に
最適です。

 

JIS規格

JIS R 5211 高炉セメント
高炉セメント A種 高炉セメント B種 高炉セメント C種
項目 規格値 規格値 規格値
密度
比表面積
凝結 始発
凝結 終結
安定性
圧縮強さ
(N/mm³)

酸化マグネシウム
三酸化硫黄
強熱減量
塩素

(g/m³)
(cm²/g)
(h-min)
(h-min)
パット法
3日
7日
28日
(%)
(%)
(%)
(%)
-
3000以上
60min以上
10h以下

12.5以上
22.5以上
42.5以上
5.0以下
3.5以下
5.0以下
-
-
3000以上
60min以上
10h以下

10.0以上
17.5以上
42.5以上
6.0以下
4.0以下
5.0以下
-
-
3300以上
60min以上
10h以下

7.5以上
15.0以上
40.0以上
6.0以下
4.5以下
5.0以下
-

 

土木構造物を主として、建築物の地下構造部分や地盤改良固化材の原料などにも使用されています。(以下実績の一例。)